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2008年5月24日 (土曜日)

東方諏訪旅行記-最終回 洩矢神社~神遊び~

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 [上:mixi版/下:守矢神社版]

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 http://september.moe-nifty.com/kikyo/2008/04/post_d107.html

 さて、長きに亘ったこの「東方諏訪旅行記」もいよいよ今回が最終回です。
 この旅行最後の訪問地として、洩矢神社を訪れます。

■洩矢神社へ
 さて、上諏訪の地を後にして、帰途につきます。旅行の締めとして最後の訪問地として選んだのが「洩矢神社」です。
 この洩矢神社は、これまで紹介した各史跡とは離れた場所にあります。地図で言えば、これまで訪問した場所は諏訪湖の右や下にあるものばかりでしたが、洩矢神社については諏訪湖の左上に位置しています。最寄り駅についても、洩矢神社だけが「岡谷駅」となります。
 岡谷駅から洩矢神社まで、片道で大体徒歩20分掛かります。そして、周辺には(少なくとも東方関係の)史跡はありません。正確に言えば天竜川の対岸に藤島神社があるのですが、どこかで川を渡らなければならない上、結構離れています(10~20分位かかるっぽい)。過去何回か触れているとおり、電車自体の本数が少ない(待ち時間が掛かる)事もありますし、現地に旅行に行った際に洩矢神社を訪問するかは使える時間との相談が必要ですね。


 途中には谷間(というより山の間の街そのもの)を高速道路が巨大な橋で渡っている場所があり、なかなか壮観です。

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(写真1:頭上を通る高速道路)

 20分程歩くと、洩矢神社に到着します。神社の前にはその名も「洩矢社前」というバス停があるので、ひょっとしたらバスで来るのも可能かもしれません(日に1~2本しかないっぽいですが…)

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(写真2:洩矢神社前のバス停)

■洩矢神社について
 さて、そんなわけで、洩矢神社に到着しました。

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(写真3:洩矢神社の入口)

 さて、この洩矢神社ですが、天竜川の対岸にある藤島神社と共に、諏訪大戦の舞台となった場所です。諏訪大戦で洩矢神側の本陣があった場所が、この洩矢神社。そして、建御名方神の本陣があった場所が藤島神社です。
 諏訪大戦の経過は東方でも語られている通りで、洩矢神が「鉄の輪」を。建御名方神が「藤の枝」を武器として戦い、建御名方神が勝利しました。
 その際に建御名方神の「藤の枝」が根付き、森になったのが藤島神社だそうです。

 この藤の森ですが、かつては洩矢神社にもあり、それぞれの神社の藤から広がった森が中央にある天竜川の上で絡み合う程繁茂していたそうです。
 江戸時代には時の藩主が「天竜川で蛍が見たいから」という理由で藤の伐採を命じ、みんな祟りを畏れて二の足を踏む中、ある男に高い報酬を払って伐採させた事があったそうです。が、伐採した男は間もなく発狂。更に命令した藩主にも祟りがありました。少なくとも江戸時代まではミシャグジ様(もしくは建御名方神)の祟りは健在だった様です。
 祟りを受けた藩主はお詫びとして祠を建てて洩矢神社に奉納。その後歴代藩主が毎年の例大祭を取り仕切る等、その後は洩矢神社を篤く信仰する様になりました。これが、現在の洩矢神社の本殿だそうです(奉納する先が藤島神社ではなくて洩矢神社だというのが当時の信仰が判るようで興味深いです)。

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(写真4:洩矢神社の本殿)

 そんな「藤」なのですが、現在の洩矢神社にはその姿は見えません(杉しか無いっぽい)。そして対岸の藤島神社も今は藤の森は無く、更に道路の拡幅工事?に巻き込まれて移転(というか縮小)させられ、現在は小さな祠状態だそうです。
(ネットで調べると現在の藤島神社が出てくるので、ぐぐってみて下さい)
 そんなわけで、藤島神社については時間の関係もあり、今回は訪問していません。実際に現地に行ってみるとまた違った印象を受けるのかもしれませんが、わざわざ数十分も歩いて行ってもどうかなと思いまして……。

 現在も森に包まれ、立派な本殿が伝わり篤い信仰を受けている洩矢神の洩矢神社。それとは逆に、現在は小さな祠状態の建御名方神の藤島神社。民衆の信仰の向きを知る上で本当に興味深いです。
(とは言っても、建御名方神については「諏訪大社」そのものがあるわけですが)

 そして、諏訪大戦に敗れた洩矢神ですが、助命されてその後は建御名方神と共に諏訪の地の発展に尽くし、一男一女のうち娘は建御名方神の息子に嫁ぎ、息子は「守矢」氏の祖となり、子孫は代々神長官をつとめる事になります。そのため、この洩矢神社は守矢家の先祖を祀った神社でもあります。

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(写真5:勿論洩矢神社にもオンバシラがあります)

 なお、ここまで紹介した話については、現地に立派な説明の掲示板があります。現地に行かれた際には是非そちらもご覧になって下さい。

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(写真6:洩矢神社の由来の掲示板)

■神遊び
 さて、そんな洩矢神社なのですが、境内を見渡すと、あちこちに謎の立て看板があります。

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(写真7:二之御柱の後ろに立て看板が…)

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(写真8:祠の手前に謎の「13」の札が…)

 この立て看板に近づくと、そこには「第○○ホール ○○m PAR○」の文字が!
そう……これは何と「ゴルフ場のコースの表示」なのです!

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(写真9:第18番ホール 13.5m PAR4)

 鳥居の近くには「洩矢マレットゴルフ場」のコース紹介が。
 そうです、何と、この洩矢神を祀っている洩矢神社は……ゴルフ場と融合しているのです!
 「マレットゴルフ」というのが聞き慣れない言葉だったので調べると、要するにパターゴルフみたいなもので、長野県を中心に流行っている競技だそうです。それにしても、洩矢神社自体がゴルフ場と融合しているとは、本当に驚きました。

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(写真10:洩矢マレットゴルフ場の注意事項看板)

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(写真11:洩矢マレットゴルフ場のコース案内)


 神社で……神前でゴルフを愉しむ。神と人とが共に楽しむ、まさに「神遊び」。この諏訪の地ではこうした所でも神と人とが共に在る姿があるのだな、と何だか感慨に耽ってしまいました。
 何度か「融合」という言葉を使いましたが、この洩矢神社、神社の雰囲気とゴルフ場の看板が本当に溶け込んでいるのですよ。ここでみんなでゴルフをしていると、いつの間にか変な帽子を被った女の子が一緒に遊んでいても不思議ではない感じがします。
 こういう雰囲気、本当にいいですね。

 …とは言っても、こうした「神社で遊ぶ」風景は実は何処にでもあるものですし、私自身も子供の頃は神社でよく遊んだものです。皆さんも、同じ様な思い出を持っている方が多いのではないでしょうか。
 私も昔神社で遊んだ頃を思い出すと……とりあえず注連縄を背負ったおばちゃんと遊んだ記憶は無いと断言できますが(笑)、変わった帽子の女の子がと遊んだ事は無かった?と聞かれれば、ひょっとしてあったかも…と思ってしまいます。もしかしたら、知らない内に私たちも「神遊び」をしていた事があるのかも知れませんね。
 今回、いろいろと諏訪の…東方関係の神社を回ったわけですが、自分の家の近くの神社にも久しぶりに行ってみようかな…と思いました。


■終わりに

 そんなわけで、前日にはなってしまいましたが、何とか例大祭までに連載を終了させる事ができました。ここまで読んでくださった皆様には、厚くお礼申し上げます。

 間もなく地霊殿(+緋想天)が発表になり、東方の世界ももう一回り広がるわけですが、その時には新たな東方系史跡が明らかになる事になるでしょう。ここまで紹介した中にもたまたま風神録では出なかっただけで、今後スペカや戦いの舞台として注目される場所が出てくるかもしれませんね。守矢一家が登場するかも含めて、非常に楽しみです。

 一泊二日の旅行を元にしたわけですが、最終的には全13回+αの連載となりました。予想以上に日記のネタとして使えましたね(笑) ……とはいえ、旅行の思い出を適当に文章に書き落とせば日記ネタになる…と甘い考えを持っていたのですが、想像以上に日記にする際の資料調査等の手間は大変なものでした。図書館に行ったり、場合によっては本を購入したり……。
 それでも結構楽しかったですし、私自身も連載を通じて諏訪の地や歴史について多少なりとも理解を深める事が出来たような気がします。そして、守矢一家に対する愛着も増しました。
 今回の旅行、そして連載の経験を自分のSSに生かしていければと思います。……え、取材の経験を生かした結果が「おそなえ」かって? ほ、ほら、SSに御頭祭が(名前だけ)出てきたじゃないですか(笑) あ、あうぅ、すいません、次回のSSこそは…


 連載を通じて、風神録の舞台に興味を持っていただいた方が。そして……早苗さんが、守矢一家が。そして勿論、諏訪の地を好きになって下さる方が少しでもいれば、書いた者としてこれ以上の喜びはありません。
 ここまで読んでいただきまして、本当に有り難うございました。

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