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2010年8月 4日 (水曜日)

「黄昏のシンセミア」感想日記 1:全体的な感想

■「黄昏のシンセミア」感想日記:目次
 http://september.moe-nifty.com/kikyo/2010/07/post-476b.html


 さて、前回は訳のわからない(しかも当たっていない)予想記事だったわけですが、これ以降は、実際にプレイしての感想になります。
 私が「黄昏のシンセミア」を予約したお店に受け取りに行ったのが、発売翌日の金曜(23日)。約1年半振りの新作(=次回作が出るのもそれ位先)という事で、じっくり長く味わってプレイしようと決意して、毎日少しずつ進めていこうかと思っていたのですが……夢中になって止まらなくなってしまい、気がつけば翌週の初め(27日)には全クリア→100%達成とすっかりやり終わってしまいました。
(前2作の時は自制できて?期間を掛けてプレイできたのですが……)

 この後(設定資料等が載っている)初回特典の冊子をじっくり読んで、更にもう一度時間を掛けて最初からプレイして……改めて考察なども含めた詳細な感想も書きたいと思いますが、まずはここから数回に分けて現時点での第一印象的な感想を書きたいと思います。

 まず、一言で全体的な感想を言えば、
「いい作品だった。元々期待の大きな作品だったが、その期待に十二分に応える出来。地味ではあるが優秀な作品で、『傑作/名作』に近い水準に達した『良作』」

 そして「お薦めか?」と言われれば
「お薦めです。迷っている方はとりあえず体験版をやってみて下さい」


 ゲームの善し悪しを決める要素として、CG、シナリオ、音楽、システム(他にも主題歌とかキャラクターとか、エロ度(笑)等があるわけですが、これらに含まれるという事で…)があります。
 このうちのどれか「だけ」が突き抜けていて評価される(主題歌が「電波ソング」で、これだけが後世に残るとか)ゲームもある一方で、その他の要素が優れていながらある一要素がダメなために評価されず、消えていった作品は数多あります。
 特にAVGは本来評価されるべき内容は物語(シナリオ)だと思いますが、何かダメな要素があれば、それ以前の段階でクソゲー扱いされてしまい、「物語(シナリオ)の内容」は評価すらされずに終わってしまう可能性があります。

 そうした中、この「黄昏のシンセミア」はCG、シナリオ、音楽、システムのほぼ全てが高い水準にあり、十二分に及第点を満たしていると思います。
 これは、各々の資質はもとより、初回作品「見上げた空におちていく」から基本的に同一メンバーでチームを組んでいる事も大きいと思います。その結果、各メンバーが支え合って作品を作り、更に過去作から改善、進歩しつづける事で、今回の様な良作を生み出す事ができたと考えられます。


 個人的にこれらの要素について、「黄昏のシンセミア」そして過去のあっぷりけ作品(今回が3作目です)からの出来について寸評すると、

・CG
 以前から及第点には達していたが、かなり進化してきた。身体の描き方には不安が残っているが、表情、そして感情表現は非常に良いと思う。少なくとも「あっぷりけの作品」という視点からはこの方しか考えられない。
 日常の場面等では問題がないが、シリアスな(特に伝奇要素が絡む)場面での描写が不足しており、足枷となっている。テキストを見て「ここで迫力のある絵があれば…」と思わせる場面がいくつもあった。ただ、その辺りは担当さんの実力というより「属性」によるものが大きいし、その他の場面の表現力で十二分に埋め合わせていると思う。
(このゲームはシリアス伝奇ものというよりも、あくまで「絆を受け継ぐ純愛ADV」なので、その事を考えれば十分な仕事をしていると思います)

・シナリオ
 文体、設定そして演出面など、第一作から十二分に及第レベルに達していたが、作品を重ねるにつれて「こなれて」来て、更に良くなっている。
 十分に素晴らしい出来で、「この人でないと考えられない!」という水準に達しているが、まだ判りづらい表現や説明不足な点も散見されるので、この辺りが改善されれば今後の作品は更に良くなると思う。

 訳のわからない例えで何ですが、過去作からの傾向として、シナリオ全体の作風が「過密な数の草花を生けた後で大胆に剪定鋏を入れ、残った部分に繊細な仕上げをした生け花」の様に感じます。
 最終的な出来上がり、そしてその完成度や美しさには全く問題は無いのです(そして、あくまでこちらの方が最終的な評価です)が、所々草花が過密になって見辛い部分や逆に「切りすぎた」部分、一部個別には持ち味を生かし切れていない素材、あるいは剪定されて打ち捨てられた(そして、その部分も十分に美しい)素材を見てしまうと、勿体ないなぁという気持ちが心に残ります。
(「大量の素材投入」や「大胆な剪定」について、どの程度が自身の意志なのか、それとも「大人の事情」なのかという問題もあるのですが)
 ただ、大事な事なので二度言いますが、できあがった作品そのものは、とても素晴らしいものだと思います。

 シナリオの詳しい、具体的な評価、感想については、本作の評価で一番重要なところなので、また次回以降に詳しく感想を書きたいと思います。

・音楽
 第一作から変わらず、今回も素晴らしい。
 音楽担当の「鷹月しのぶ」さんについて調べてみましたが、意外にも「あっぷりけ」さん以外では商業関係の仕事は(たぶん)されていない様ですね。もっと広く評価されてもいい方だと思います。昔は葉鍵で同人音楽をされていた方のようですね。
 前作「コンチェルトノート」についてもファンの要望が集まってサントラCD化されましたし、本作も早々にCD化が決定しました。楽しみです。

・システム
 前作「コンチェルトノート」から導入されたフローチャートシステムが極めて優れたものであったが、今回更に進化して、神の領域に達した。
 このゲーム、特にシステム面が素晴らしいです。ここでストレスを感じる様な出来だと、プレイする気自体を無くしてしまうわけですが、シンセミア(というより、前作「コンチェルトノート」以降)のゲームシステムは本当に素晴らしいです。現在のAVG界で、これ以上のものはないのではないでしょうか。

 こうした、各々優れた要素を持った、相性のいいスタッフが継続してチームを組み、作品毎にそのレベルが高まっていくというのは、本当に(本人達にとっても、作品をプレイする側にとっても)良い事だと思います。
 この「黄昏のシンセミア」(というよりも、このチームが作った作品)については発売前から非常に期待していたので、期待に違わぬ内容であった事が本当に嬉しいです。

 そして、個人的に嬉しい事が、この「黄昏のシンセミア」が私個人の評価が高いだけでは無く、どうやら世間(他にこのゲームを手に取られた人々)の評価もとても良い感じである事。そして、その多くの方が、(「あっぷりけ」さんの過去2作を見て)事前から期待していたという事です。

 私はシナリオ担当の桐月さんと以前から知り合いだった縁で、幸運にも「あっぷりけ」さんの存在を立ち上げ当初から知る事ができました。
 初期の頃は、桐月さんがこの業界でご飯を食べられるかだけが気がかりで、メーカーの方にはそれ程関心が無かった(笑)のですが、発表される作品や、(特にコンチェルトノート以降の)HPでの対応などの真摯な姿勢を見て、いつしか、「あっぷりけ」さんというメーカーさんそのものにも頑張って欲しいな、世間に評価されて欲しいな……と思うようになりました。
 そんな「あっぷりけ」さんが無事に、そして(少なくても外目から見た感じでは)順調に三作目の発売を迎え、そしてその作品が高く評価されつつある事は本当に嬉しいです。

 世の中は不条理なもので、欠点が無い、良い作品を作っても、世の中の目に止まらず、評価されず……結果的に売れずに消えていく作品、メーカーも数多く存在します。そうした中、自身が応援しているメーカーが、そしてその作品が、そうした道を辿らずに多くのファンに支持され、そして更に支持の輪を広げ続けているというのは、本当に喜ばしい事です。


 第一作「見上げた空におちていく」の際に行われた人気投票(2回目、発売後に実施)で、1位のキャラの得票数が108票でした。
 それが、今回の「黄昏のシンセミア」では、発売前の人気投票にも関わらず、1位キャラの得票数は何と4000票以上! 最下位でも181票入っており、「見上げた空におちていく」の1位を上回っています。
 この3年あまりで確実に認知度が、そしてファンが広がっている事を強く感じます。

 これからも「あっぷりけ」さんの作品が、そして、それぞれのスタッフの方が携わった作品が、そして勿論、「黄昏のシンセミア」と過去2作が。これからもより多くの方の目に留まって、そして評価されるようになってくれれば嬉しいです。

 そんなわけで、「黄昏のシンセミア」と「あっぷりけ」さんの過去2作、お薦めです。この文章を見に来られた方で未プレイの方がおられましたら、是非、まずは公式HPから体験版の方をDLして試していただければと思います。きっと気に入って、製品版も欲しくなると思いますよ。
 品薄が続いていましたが、通常版の発売も決まったみたいですし、今がチャンスです!

 ……………

 だから……だから、美里さんも人気者なんだ! 「みあそら」のキャラ全員よりも人気投票で票が入っているんだ! だから……悲しくなんか……ないもん……orz
(↑今回の日記で一番言いたかったこと)

 http://www.applique-soft.com/sin/kiyo01_09.html

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